
物件選択の専門用語一覧
瑕疵保証(かしほしょう)
瑕疵が発見されたときにそれによって生じた損失を補填することを、あらかじめ約束すること。不動産に瑕疵があった場合には、売主が買主に対して瑕疵担保責任を負うのが原則であるが、それを補完するために、第三者が、瑕疵により発 生した一定の損害を負担する仕組みがある。これが瑕疵保証である。
原状回復義務(げんじょうかいふくぎむ)
建物賃貸借契約の終了時における借り主のなすべき義務のひとつ。
契約期間の満了に伴う借り主からの解約の申入れ等によって、建物賃貸借契約が終了したとき、建物賃貸借契約は将来に向かって消滅する(民法第620条)が、借り主は当該建物を賃貸借契約の開始時の状態に戻す義務を負う(民法第545条・第546条)。
【修繕義務】
建物賃貸借契約においては、貸し主は建物の汚損・破損(借主の故意や過失によって発生した汚損・破損を除く)について、必要な修繕を行なう義務を負うものとされている(民法第606条)。
建築条件付き土地
建て売りといえば、土地とそこに立つ住宅がセットで販売されるものだが、建築条件付き土地の場合は、売り建てともいうように、土地を売るに当たって、一定期間内に特定の建設会社(土地の売り主とその子会社、および販売代理人となる宅建取引業を併営する建設業者)と建築請負契約を結ぶことを条件にしている。
建物譲渡特約付き借地権
新借地借家法(平成4年8月1日施行)により創設された定期借地権のひとつ。
「建物譲渡特約付き借地権」とは次の契約内容を含む定期借地権である。
1)設定から30年以上を経過した日に、借地上の建物を地主に相当の対価で譲渡する
2)1の譲渡がなされたことにより、借地権が消滅する
従って、「建物譲渡特約付き借地権」の存続期間は少なくとも30年以上である。
建築設備
建物と一体となって建物の機能を全うさせる設備のことで、空調・換気設備、給排水衛生設備、電気設備、エレベーターなどがこれに該当する。
敷金(しききん)
建物の賃貸借契約を新規に締結する際に、借り主から貸し主に対して、次のような目的のために預けられる金銭。
1)賃料の不払い・未払いに対する担保
2)契約により借主が負担すべき修繕費用や原状回復費用の前払い
将来契約が終了した場合には、上記1や2の金額を控除した残額が、借り主に対して退去後に返還される。なお関西等では「敷引」の慣行がある。
スケルトン
内装が全く無い、コンクリート打ち放しの状態で渡すということ。
メリットとして
1)貸室内の内装をある程度(貸主さんが許す限り)、自由に造ることができる。
2)自分で選んだ設備を使える。
3)退去する時に原状回復等の責任範囲が明確。
4)既存設備ではないので、故障等のトラブルが起こりにくい。
制震構造(せいしんこうぞう)
地震による建物被害を防止・軽減するための方法の一つで、地震によって生じる振動を吸収する建物構造をいう。例えば、振り子などの慣性力で地震動を吸収する、地震動に応じて外部から力を加えて振動を押さえる、緩衝装置によって建物部材の変型を軽減するなどの方法を取り入れた建物構造はこれに該当する。主として、超高層の建物において採用されている。
一方、地盤と建物基礎などの間にローラーや積層ゴムを設置して、建物に伝わる地震の揺れを絶縁または長周期化することにより外力を制御する方法を採用した建物構造を免震構造という。
耐震設計は、これらの方法を含めて、地震に対して建物構造の安全を保つための設計をいうが、どのような建物構造を選択するかは建築設計に当たっての重要なポイントのひとつである。
仲介手数料(ちゅうかいてすうりょう)
媒介報酬(仲介報酬)とも。
宅地建物取引業者の媒介により、売買・交換・貸借が成立した場合に、宅地建物取引業者が媒介契約にもとづき、依頼者から受け取ることができる報酬のこと。
賃貸借(ちんたいしゃく)
ある目的物を有償で使用収益させること、あるいはそれを約する契約をいう。賃貸借契約の締結によって、貸主(賃貸人)は目的物を使用収益させること、目的物を修繕すること等の債務を、借主(賃借人)は賃料を支払うこと、目的物を返還する際に原状回復すること等の債務をそれぞれ負うことになる(従って双務契約である)。
民法では、あらゆる賃貸借契約について、
(1)契約期間は最長でも20年を超えることができない、
(2)存続期間の定めがない場合にはいつでも解約の申し出ができる、
(3)賃貸人の承諾がない限り賃借人は賃借権の譲渡・転貸ができない、
(4)目的物が不動産の場合には賃借人は登記がない限り第三者に対抗できない(賃貸人には登記義務が無いとされるから結果として賃借人は対抗力を持つことができないこととなる)等と規定している。
坪(つぼ)
土地面積や部屋の広さを測るときの単位。1坪おおよそ3.3平方メートルに相当する。
土地の売買契約においては、一般的に「1辺を6尺(約1.818メートル)とする正方形」が1坪であるという慣行が成立しているものと思われる。この慣行に従えば、1坪とは約3.3058平方メートルであると言うことができる。
定期借地権(ていきしゃくちけん)
平成4年8月1日に施行された新借地借家法では、借地権を普通借地権と定期借地権に区分した。
普通借地権とは、借地権の存続期間が満了した際に、地主側に土地の返還を請求するだけの正当事由が存在しなければ、借地人が更新を望む限り自動的に借地契約が更新されるというものである。
これに対して定期借地権とは、借地権の存続期間が満了した際に、地主側の正当事由の有無にかかわらず、借地人は借地を地主に返還しなければならないというものである。
抵当権(ていとうけん)
債権を保全するために、債務者(または物上保証人)が、その所有する不動産に設定する担保権のこと。債務者(または物上保証人)がその不動産の使用収益を継続できる点が不動産質と異なっている。
債権が弁済されない場合には、債権者は抵当権に基づいて、担保である不動産を競売に付して、その競売の代金を自己の債権の弁済にあてることができる。
【抵当権の及ぶ範囲】
抵当権は担保にとった不動産におよぶだけでなく、その不動産に付属している物や権利にもおよぶ(民法第370条)。
従って、抵当権にもとづいて不動産を競売する場合には、付属している物や権利も一緒に競売されることとなる。
鉄筋コンクリート構造
鉄筋とコンクリートによって、柱・小梁・大梁・スラブ・壁を造り、すべての部分を一体化した構造のこと。
鉄筋コンクリートの部材は、引っ張る力にも、圧縮する力にも強いので、地震に対する安全性が高い構造となる。
またすべての部材がコンクリートで一体化され、部材どうしの接合部は剛(ごう)であるので、建築学上の「ラーメン構造」となっている。
手付の額の制限
売り主が宅地建物取引業者である宅地建物の売買契約を締結するとき、手付は、代金の額の10分の2を超えてはならないという制限のこと(宅地建物取引業法第39条第1項)
鉄骨構造
鉄骨造、S造とも。
柱と梁を「鉄骨」で作り、壁・床に「木質系パネル」「軽量気泡コンクリートパネル」「窯業系パネル」など使用した構造のこと。
鉄骨鉄筋コンクリート構造
鉄筋コンクリートに、鉄骨を内臓させた建築構造。
比較的小さい断面で、強い骨組を作ることができ、粘り強さもあるため、高層建築に多用されている。
媒介
不動産取引における宅地建物取引業者の立場(取引態様)のひとつ。
「媒介」とは、宅地建物取引業者が、売買取引・交換取引・賃貸借取引について、売主と買主(又は貸主と借主)との間に立って、取引成立に向けて活動するという意味である。
「仲介」とは「媒介」と同じ意味である。
PC造(ぴーしーぞう)
プレキャストコンクリートを使用した建築構造のこと。
鉄骨の骨組にプレキャストコンクリートをはめこむことによって造られる建築構造である。
この建築構造は工事期間とコストが少なくてすむため、賃貸マンションなどに多用されている。
ポーチ
建物の入り口部分で、建物の屋根とは別の庇(ひさし)を持ち、建物の外壁から突き出している部分を「ポーチ」と言う。(建築用語では庇型ポーチと言う)
ただし、建物の外壁に大きなくぼんだ空間を造り、そのくぼみの内側に玄関ドアを設けた場合もその空間を「ポーチ」と言うことがある。(建築用語では寄り付き型ポーチと言う)
庇型ポーチ、寄り付き型ポーチのどちらでも、建築面積に含める必要がある。
ホワイエ
劇場の談話室、休憩室を表すフランス語。ホテルなどではラウンジ、ロビーと称するが、ホワイエも同意である。
本下水(ほんげすい)
下水道が完備されている区域を「下水道の処理区域」という。
下水道の処理区域では、汚水を各住戸の浄化槽で浄化する必要がなく、汚水をそのまま公共の下水道管(汚水管)へと放流することができる。公共の下水道管(汚水管)が完備しているという意味で、「本下水」と呼んでいる。
間口(まぐち)
土地と道路が接する長さのこと。
免震構造(めんしんこうぞう)
大地震による揺れをできるだけ小さくして、心理的恐怖感や家具の転倒などによる災害を少なくするために、建物の基礎と土台の間に防振ゴム(積層ゴム)を挿入するなどの構造を免震構造という。
礼金(れいきん)
建物の賃貸借契約を新規に締結する際に、借り主から貸し主に対して、契約締結の謝礼として支払われる金銭。将来契約が終了し、退去する際にも、借り主に返還されない。